日台の対立に政治決着 尖閣沖台湾漁船沈没事故
2008.6.20 20:53
【台北=長谷川周人】台湾の欧鴻錬外交部長(外相)は20日、日本の在台代表機関・交流協会台北事務所の池田維代表と会談し、尖閣諸島(中国語名・釣魚島)沖で違法操業していた台湾の遊漁船が日本の巡視船と衝突、沈没した事故で、欧部長は問題解決に向けた日本側の努力に謝意を示し、両者は「落着した」との認識で一致した。
日本側はこの日、巡視船を指揮した第11管区海上保安本部長が本部長名で書いた「船長にあてた手紙」を船長に手渡した。日本政府は船長の負傷と遊漁船の沈没に関し、「遺憾」との表現で謝罪の意を伝えていたが、「手紙」では「改めて心からおわび申し上げます」と言い換え、台湾側の了解を得た。
両者による政治決着を受けて日台は今後、遊漁船の違法行為や賠償問題などの交渉に入るが、欧部長はこれを機に2005年から中断中の漁業権交渉を再開させ、日本と漁業協定を結びたいとの意向を示した。